2020-01-01から1年間の記事一覧

リハビリがてらの山登り

思えば、関節の負担を減らすために杖を使っていたのが、裏目に出たような気がする。痛みがひどくなるにつれて杖と左足に頼るようになり、右の筋肉はみるみるうちにペラペラになった。レントゲン写真で見る骨も色が変わっていった。なんとか自力で手術を避け…

振り出しにたどり着いた年

痛み止めを入れていたポーチに、あめ玉を入れて歩く術後8ヶ月半。発表会に代わる「バレエ・パフォーマンス」本番まであと10日。 関節のひどい痛みから解放されただけでも夢のようだったのに、いまなお、できることが徐々に増え続けている。しゃがむことも…

11月2日 月曜 雨の朝

いま、自転車を外に出してきた。不要品として引き取ってもらうために。30年近く乗ってきた自転車。不要品だなんて言いたくはないが、もう乗るに耐えられないのだから仕方がない。散々お世話になった自転車が、いまは不要品の張り紙ごと雨に濡れている。結…

術後半年

今日でちょうど、手術を受けてから6ヶ月になる。気づいているのは私だけだろう。家族も、執刀の先生も、そんなことを常日頃から数えているわけがない。私自身、あの痛みがどれほどだったか、痛みのあまりどのような歩き方をしていたか、もう再現できなくな…

骨の変化

腰の後ろ、ウエストラインよりほんの少し下、背骨を挟んで左右に骨盤が微妙に出っ張っている部分がある。上後腸骨棘(じょうごちょうこつきょく)というらしい。この周りが、以前は凝っていた。しかも、左右で出っ張りの度合いが違う。骨盤をまっすぐに立てて…

自分の中の底なし沼

ペザントの振り移しが終わり、通しで踊るところを動画で撮影してもらった。まったくがっかりだ。パドブレもアラベスクもパッセも何もかも、何をやっているのかわからない。数年かけて狭くなった可動域を、また元に戻すのに何年かかるだろう。やればやるほど…

諦めないことも肝心

この1週間の間に、3ヵ所の山に登った。 天ヶ岳780m(走行距離約17km) 小塩山642m(走行距離約14km) 比叡山749m(走行距離約12km)比叡山の頂上(大比叡848m)は先月に一度登っているので、今回は頂上へは行かず周囲の名所・見所へ。 下りには注意が必要だが、…

人工関節、要不要の分かれ目は?

硬くなった筋肉をほぐすためのエクササイズ動画が、いまでも多数公開されている。ひさしぶりに検索してみたが、感染症の緊急事態期間中に、いっそう増殖したように思う。 手術の直前まで、少しでも痛みが楽になるならと、ありとあらゆる情報を集めていた日々…

ジゼルのペザント

本来なら、次の日曜日が発表会だった。振り付けが始まった2月頃はまだ故障中で、自分の出演予定はなかったけれども、長女が「白鳥の湖」第2幕のコールドを踊ることになっていた。きっと今頃、本番直前の緊迫した空気に包まれながら、羨望の念を持て余して…

ポワントレッスン再開

実に4ヶ月ぶりのポワントレッスン。コロナ自粛を挟んで、他の人たちにとっても3ヶ月ぶりの久しぶり。というわけで、15分ほどの間に足慣らしと片手バーでのパンシェ。センターではエシャッペ、シュッス、パッセを少し。 それでも、ずいぶん楽になったこと…

退院して3ヶ月

土曜日に、電車に乗って繁華街へ出た。退院から3ヶ月が過ぎていたけれども、こうして出かけること自体が久しぶりなので、足が痛かった頃の習慣が随所に残っている。 もう、荷物を極力減らす必要はなくなった。玄関で、杖を忘れないように気をつけることもな…

レッスン再開前日

明日、約2ヶ月ぶりにバレエのレッスンが再開される。退院二日後、4月6日に3週間ぶりのレッスンを受けたが、その翌日に緊急事態宣言がなされた。以来、週一回程度のオンラインレッスンで凌いでいたのだ。 いま、股関節の可動域は、アンディオールどころか…

体内からのリハビリ

手術の翌日は春分の日で、続く土日と合わせて世間は三連休。術後のリハビリも、4日後の月曜日からスタートになるという。いきなり後れを取るわけだ。暦を恨んでもどうにもならない。これは自分の問題。とにかく、カテーテルや点滴につながれていながらも、…

術前までの痛みと術後からの痛み

手術するまで、痛みを我慢しすぎたのだといまは思う。突然痛くなるものではないので、少しずつ慣れながら痛みと付き合ってきた。その結果、右股関節はとことん傷んでいたのだ。他の関節まで痛みが出るようになったら、もう我慢はやめた方がいいと、いまなら…

退院直前の数日間

退院したら…… 大きな道路の横断歩道も普通に渡れるだろう。電車の乗り換えや改札とホームの往復は、エレベーターを探さなくとも階段が使える。人が対面から歩いてきたら、遠慮していちいち立ち止まらなくとも、こちらも普通に歩いてうまく交わしながらすれ違…

退院後の「夢のような」現象

手術をしてから9週間以上になるが、いまでも手術前の感覚や癖が完全には抜けきらない。 はじめは「あんなことができる」「こんなこともできる」と新鮮だった。右足で立っても痛くない。いちいちものにつかまらなくても歩けるし、思い立ったらすぐに移動でき…

術後8週間目

手術を受けてからもうすぐ2ヶ月。右足でも立てるという、夢のような日々が現実となっている。 術後の痛みもほとんどなくなってきた。その痛みとは、関節に関してではなく、まずは内部の傷口。表面の痛みは一ヶ月もすればほとんど気にならないが、骨に届くと…

気になっていたこと

・自家輸血しておかなくてよかったのか? 今回の手術は、さほど出血がないのだそうだ。 もちろん、輸血が必要になるような万が一が、万が一よりもう少し高い確率で起こりうるかもしれないけれど。そのときはそのとき。 手術、麻酔、検査、処置について予定外…

手術をした日

麻酔から覚めて時刻を尋ねると、11時半頃とのこと。準備の時間を除けば、手術に要した時間は2時間ほどか。杖をついてよろよろと歩いた長い道のりを、いまはストレッチャーに載せられたままゴロゴロと運ばれている。 酸素マスクや、点滴や、尿道カテーテル…

手術の朝

午前6時半までに、脱水防止のための経口補水液を1000mlも飲んでおかねばならない。昨夕の夕食以降何も食べていないので、未明から少しずつ飲めば意外と飲めた。主治医の先生が来られ、右足にマジックペンで「OP」と書いてまた出て行かれた。8時半に手術…

入院

先月18日のこと。車窓からながめる洛中は、はや桜の花が咲き始めていた。二条城、府庁前等々、桜の名所をすり抜けながら向かうのは、これから入院する病院。入院受付、前日まで服用していた薬のチェック。スーツケースを転がしながら窓口を一つ一つ回る。…

バリエーションは右足仕様

今年になってからバリエーションのクラスで取り組んでいるのがキトリ。これもまた、初めのポーズからふらついている。後半のフリックに至っては、何やってんだか。平行棒のようなバーにつかまりながらでも、きっとできないだろう。バレエは、股関節を実によ…

バレエ復帰とは?

これもネット情報だが、人工股関節を脱臼させないためには、いろいろと動きが制限されるようだ。 私の手術を担当してくださるY先生は、「僕は手術後の動作をほとんど制限しませんよ」とおっしゃったが、たとえば「人工股関節を長持ちさせたい」「再手術は絶…

自家輸血なし!?

4日後のいまごろは、もう手術を終えて麻酔から覚めているだろうか。それとも、心電図の音を聞きながら、まさに意識不明に陥ろうというところか。あるいは突発的なトラブルで手術が延期になり、ほっとしたり不安になったり?または、この世にいなかったりし…

手術日まであと5日

入院に必要なものを揃えたり方々に連絡をしたり、生活の中で繰り返してきた趣味、用事、諸々を仕納め、それでも実感がわかないような……。新型コロナウイルス肺炎の世界的な流行騒動で、通学やイベントの突然の自粛要請。巷には、マスクのみならずトイレット…

家にいるときの心がけ

我慢強さがまだまだ足りないのだろうか。どんなに痛くても、平然とした顔でテキパキと家事をこなせれば、さぞかし家族に不愉快な思いをさせずにすむだろう。 人がくつろいで一日のストレスから開放される場所であるはずのその家を、台無しにしていることはわ…

やめる勇気

飛ぶわけでも突き刺すわけでもないのに、意外と負担のかかるパ、バロネ。フリック、フラック。軸にしなければ大丈夫と思っていたが、動足にしても痛くてたまらない。曲げ伸ばしが痛いし、左足の振動が伝わるのでさえ痛いのだ。もう、足を使うパはほとんどま…

今度こそ

朝、目覚めたら、それは長い悪夢からの目覚めで、さっと立ち上がって、平然と歩き出せたりなんかして、「なんだ、もう治ってるやん」と当たり前のようにつぶやいて、ほんの数歩で朝刊を取りに出て、何にも掴まらずに玄関から床に上がるとか、そんな一日が過…

罪と罰

痛みなんて、我慢すればいいという。みな、我慢して乗り越えてきているのだそうだ。ヒクッと肩が上がり、苦痛で顔がゆがむのは何かの罰なのか。何の罪なのか。心当たりはないけれど、我慢が足りないという罪なのかもしれない。

足を引きずる理由

右足を軸にできないので左足を引きずる。右足は動かすと痛いので右足を引きずる。衣類でも書類でもスリッパでもゴミでも、床に置かれているものはみな、引きずる足に巻き込まれ、方々に散らばる部屋。壁や家具の角や扉の縁に掴まりながらターザンのように歩…