手術日まであと5日

入院に必要なものを揃えたり方々に連絡をしたり、
生活の中で繰り返してきた趣味、用事、諸々を仕納め、
それでも実感がわかないような……。
新型コロナウイルス肺炎の世界的な流行騒動で、通学や
イベントの突然の自粛要請。巷には、マスクのみならず
トイレットペーパーなども払底しており、朝から店に
並んでもなかなか手に入らないという。

そんななかで、自分が受ける手術についてすら、
明確なイメージがわかないのだ。
手術は何時頃に始まり、どれぐらいかかるのか。
どこをどう切ってどんな人工関節を入れるのか。
術後に何ができて何ができなくなるのか。
具体的なことがほとんどわからない。
ただ知らされているのは、切除した自分の関節は
適切に処理、つまり捨てられてしまうということ。
災害で行方不明になった場合は、そんなちょっとした
パーツでさえ発見されたら遺体の一部として扱われるのに。

入院する病院にはwifiがなく、家族の面会も制限されて
いるという。とりあえず3週間分の着替えを用意。
足りなければ施設内のコンビニで買えるものは買うしかない。

こんな個人的な疑問や問題が感染症の話題に追いやられ、
ただ時間だけが普通に過ぎていく。

肝心の右足の方は、ここにきて痛みが少しましになっている
ように思う。
これでも切り取るのですか、と。最期のサインか。