初詣

昨年の元旦は、家族4人で初詣に出かけた。いや
3人+1人か。足を引きずり、無理矢理ついて行った。
鳥居をくぐってから拝殿までの距離は、とてつもなく
長かった。

今年は一人、自分の足で家から30~40分かけて歩いた。
家族と一緒に歩いていたとしても、もう同じ足取りで
遅れることなく参道を歩いていたに違いない。

段差を下りるとき、いつも戸惑っていた。
右足から下りることを頭の中で確認してから、慎重に
足を置き、その横にもう一方の左足を揃え、これで一段。
いまならおしゃべりしながらでも、気がついたら階段は
下りている。

昨年の一月二日は、家族で四条界隈に繰り出した。
初売りの店をはしごして、方々で福袋も買った。
ただ、荷物は持てず、歩行者天国の一番端っこを、
よろよろと歩いていた。それでも家族の背中を見失わ
ないよう、汗だくになって追いかけた。

今年なら、両手に荷物を提げながらでも人の波にうまく
乗り、繁華街を歩き、電車に乗れば誰かに席を譲る
こともできただろう。
しかしながら、今は世の中自体がそれどころでは
なくなってしまった。

何か、取り戻したいものが残っているような気がするのに。