手術の朝

午前6時半までに、脱水防止のための経口補水液
1000mlも飲んでおかねばならない。昨夕の夕食以降
何も食べていないので、未明から少しずつ飲めば
意外と飲めた。
主治医の先生が来られ、右足にマジックペンで
「OP」と書いてまた出て行かれた。8時半に
手術室入室の予定。
C棟の最北に位置する病室から、B棟を抜けて
A棟の手術室まで、いつものように杖をつきながら
よろよろと歩いた。
このように歩くことの歩きおさめ。
手術室に入ると早速手術台に横たわる。8名ほどの
スタッフが心電図のコードや点滴や、いろいろな
ものを手際よく取り付けていく。
初めの点滴は、身体がなんとなく温まるような、
力が緩むような感じで、麻酔はいつ注入されるのかと
思いながら、頭の中では「眠れる森の美女」第2幕
幻影のシーンの音楽が流れていた。
「終わりましたよ」と言われて目を開けると、
手術室天井の無影灯が見えた。