やめる勇気

飛ぶわけでも突き刺すわけでもないのに、
意外と負担のかかるパ、バロネ。フリック、フラック。
軸にしなければ大丈夫と思っていたが、動足にしても
痛くてたまらない。曲げ伸ばしが痛いし、左足の振動が
伝わるのでさえ痛いのだ。
もう、足を使うパはほとんどまとにできない。
すなわち踊れない。

どんどん上達して行く人たちに囲まれて、
自分だけはどんどん下手になっていく。
日ごとに増す痛みという罰を受けながら、
さらに踊れなくなっていく屈辱。

バレエなんてやめてしまえばよいのに
やめる勇気すらない無力。